レゴマインドストームはオープンハードウェアということで回路図が公開されています。
https://www.lego.com/ja-jp/mindstorms/downloads
ここからどのようなICが使われているかを調べると、マインドストームの仕様を推測することが出来ます。
たとえば、EV3のバッテリー内蔵保護回路がどのような仕様で動作しているか知りたいとすると、ハードウェアディベロッパーキットをダウンロードし、9. Appendix LEGO MINDSTORMS EV3 rechargeable battery hardware schematics.pdfを確認します。
ここを見ると回路図の中央に”MP26123DR”と書かれたICがあります。このICがバッテリーを管理していると推測し、検索エンジンで「MP26123DR データシート」を検索します。
すると「MP26123DR」のデータシートが沢山ヒットします。
試しに一つダウンロードし、内容を確認すると先頭ページにICの応用用途例が書かれています。
APPLICATIONS 1.Mobile Internet Device 2.Portable Media Player 3.Netbook 4.Charger for 2- or 3-Cell Li-Ion Batteries 5.Distributed Power Systems
4.5.にリチウムイオン電池の充電と電力供給システムに使えると書いています。
推測はあたりのようです。
ではどのように電力供給しているかデータシートを見てみます。 3〜4ページ目にICの仕様が一覧表がありました。
Peak current limit 4.1A
電力供給は4.1Aで制限がかかるようです。EV3の内部(あるいはコネクタ部)で回路が短絡しても過大な電流が流れないようになっていると考えて良さそうです。
Under-voltage lockout threshold rising 3.2V
バッテリーの電圧が低下したときの、電池動作停止は3.2Vのようです。これは一セルあたりの電圧と思われます。
リチウムイオン二次電池は過放電(2.4V以下)すると回復できない内部ダメージが発生します。
EV3の電池には2セルのリチウムイオン二次電池が入っているようなので、電池全体を見た場合、6.4Vまで電圧が落ちると電池は停止するはずです。
Thermal shutdown 150℃
電池の温度が上昇した場合の停止温度です。
150℃になると電池は電力供給を停止するようです。
近年のオープンソースソフトウェア/オープンソースハードウェアと呼ばれるものが数多くあります。自分の興味のあるものの内部を知りたいときは、インターネットでいろいろ調べて見ましょう。